こんにちは、うだたつやです。
皆さんは、リサーチにどれだけの時間をかけていますか?
10分しか調べずにすぐに書き始める人、30分〜1時間かけてリサーチする人。記事のジャンルや性質によってまちまちですが、 ほとんどのWebライターはリサーチが足りていません。
では、どれだけ時間をかければ良いのでしょうか?
一つの目安として、 記事制作にかかる時間のうち、60%〜70%はリサーチに費やすべきです 。例えば、8000文字程度の記事を6時間で書く場合は、リサーチに3〜4時間以上は使いましょう。
なぜ、リサーチにそこまで時間をかけるのか?
それは、 リサーチこそがWebライティングにおいて最も大切な仕事だからです。 情報の素材集めが終わっれば、質の高い文章をあっという間に書き上げられます。
とはいえ、リサーチのやり方は学校では習いませんし、具体的なリサーチのやり方を教えてくれる人はいませんよね。
そこで今回は、 過去に数百本以上の記事を執筆してきた僕が、リサーチの重要性と具体的なやり方を紹介します。
Webライティングにおけるリサーチとは?
そもそもリサーチとは何でしょうか?
リサーチとは、一般的には「 調査 」や「 研究 」という意味です。
勘違いしてる人も多いですが、リサーチは「ただ調べること」ではありません。リサーチとは、情報を表面的に調べるだけではなく、 独自の視点や切り口から、まだ世に知られていない真実を見つけ出すことです。
Webライターの中には、Googleに検索キーワードを調べることをリサーチと読ぶ方もいますが、それはただの「 サーチ(検索) 」です。
それでは、具体的どのようにリサーチを行えば良いのでしょうか?
リサーチでは、何を調べるのか?
Webライターが、リサーチを行う上で考えるべきことは、以下の3つです。
- これから書く記事の読者は誰か?(読者像)
- その読者のどんな悩みを解決するのか?(課題)
- その課題を解決するためには、この記事で何を伝えるべきか?(仮の主張)
まずは、この順番で記事の主張(仮)を考えます。
そして、 主張を支える根拠となる、事実やデータを拾い集める作業がリサーチです。
詳しいやり方は、後半で解説します。
リサーチの目的は、「質の高い記事を書く」こと
「リサーチなんてしなくても、記事は書けます」と考えている方もいるかもしれません。
確かに、リサーチをせずに記事を書く事は可能です。 でも、事実やデータを基にした、論理的な記事を書くにはリサーチが必須です。
Webライターに求められるのは、そうした質の高い記事です。
リサーチの目的は、文章の論理を支える事実やデータを集め、記事に説得力を持たせることです。記事に説得力があれば、読者からもGoogleからも「質が高い記事」と評価されます。
反対に、リサーチをせずに自分の勘や浅い経験から文章を書いてしまうと、どうなるでしょうか?感想文のような記事になってしまい、あまり価値がありません。
リサーチが 重要なジャンル
以下のようなジャンルは、特にリサーチが重要です。
- 金融(投資や保険など)
- 健康や安全(病気、栄養など)
- キャリア(大学や就職など)
これらのジャンルの記事は、人生に与える影響度が大きいです。リサーチをせずに書いてしまうと、他人の人生を危険にさらしてしまうかもしれません。
皆さんは、WELQ問題という言葉を耳にしたことはありますか?
過去に、DeNAは「WELQ」というキュレーションサイトを運営していました。このサイトは嘘の医療情報を大量に掲載しており、大勢の読者に健康被害を与えたことが社会問題になり、閉鎖に追い込まれました。
リサーチをせずに、記事を書いてはいけません。 そうした質の低い記事を公開していると、閉鎖に追い込まれてしまうだけでなく、大勢の読者に被害を与える可能性があります。
特に、上記のジャンルで記事を書くときは、念を入れて事実を確認するようにしましょう。
文字単価を上げるコツは、リサーチを極めること
リサーチをしっかり行う事は、Webライターのあなたにとっても価値があります。
Webライターのあなたは、もっとたくさんの報酬を稼ぎたいですよね。報酬を稼ぐには、 文字単価 をあげる必要があります。
では、文字単価を上げるにはどうすれば良いのでしょうか?
その答えは 、リサーチを極めることです。
なぜなら、しっかりリサーチを行って、質の高い記事を書けば、その記事はGoogleから評価され、検索の上位に表示されるようになります。 すると、その記事は収益を生み出し、企業に利益をもたらします。利益が生まれれば、さらに利益を増やすために、あなたにより多くの記事の執筆を依頼します。
つまり、ライターはしっかりとリサーチを行うことで文字単価が上がり、より多くの報酬がもらえるようになります。
リサーチが重要な記事は、文字単価が高い
また、 リサーチが重要なジャンルは文字単価が高いです 。
例えば、金融系、医療系、法律系のジャンルなどは、僕の経験上、文字単価が2.5円を超えることもありました。
これらのジャンルの記事を、しっかりリサーチして執筆できるライターは少ないです。 そのため、企業は、リサーチができるライターには高い単価を払ってでも、自社に囲い込もうとします。
誰にでも書ける記事の文字単価は低い
逆に、深いリサーチが求められない 記事の文字単価は低くなります。
例えば、薄っぺらい情報のまとめ記事や、商品やサービスのモニター記事、一般的な体験がベースになった記事(主婦の節約方法など)などは、多くの人が書けるため、 1.0円〜1.5円以下の文字単価になることが多いです。
つまり、 文字単価を上げるには、リサーチを極めることが大切なのです。
Webライティングにおける具体的な「リサーチのやり方」
それでは具体的に、どのようにリサーチを進めれば良いでしょうか?
▼Webライティングにおける具体的なリサーチのやり方は以下の通り
- まずは、キーワードで「 検索 」する
- 記事の「 読者像 」と「 目的 」「 仮説 」を書き出す
- 仮説を基に、「 記事の構成 」を作る
- 仮説に関連する「 情報を集める 」
- 集めた情報の「 正確性を検証 」する
(1)まずは、キーワードで「検索」する
まずは、狙いたいキーワードをGoogleで検索しましょう。
1〜10位までの記事に軽く目を通して、どんな内容のページが評価されているのかを確認しましょう。
上位に表示されているのは、その検索キーワードで検索するユーザーのニーズにマッチしているとGoogleに判断された記事です。 上位の記事を軽く読むだけで、どんな読者が、どのような悩みを抱えてその検索キーワードで検索するのかが、ざっくりと読み取れます。
(2)記事の「読者像」と「課題」と「仮説」を書き出す
狙いたいキーワードで検索したら、その結果をもとに、以下を書き出しましょう。
- これから書く記事の読者はどんな人物か?(読者像)
- その人物はどんな課題を抱えているのか?(課題)
- その目的を達成させるためには、読者にどんなメッセージを伝えれば良いのか?(仮説)
「読者像」と「課題」とは、いわゆるペルソナのことです。
ペルソナが完成したら、 読者の課題を解決するためには、どんなメッセージや情報を伝えれば良いのか、その記事のメインメッセージを仮説として書き出しましょう。
(3)仮説を基に、「記事の構成」を作る
そして仮説を基に、どのような流れで記事を書くのかを考え、 記事の構成 を作ります。
Webライティングでは、上の画像のように、見出し(h2やh3)が記事の構成になります。
なぜ、構成案を作るかというと、構成を作ることで、 集めるべき情報が絞られ、リサーチが効率的に進められるからです。
詳しい構成の作り方は、『 記事構成案の作り方 』をご覧ください。
構成の修正と情報収集は交互に行って、さらに良い構成が作れるようにします。
(4)仮説に関連する「情報を集める」
構成ができたら、競合サイトや個人ブログ、SNSやYouTubeなどを駆使して、 情報をたくさん集めましょう。集めた情報は、箇条書きでメモしていきます。
次に、出来上がったリストを、記事の構成に合わせて並び替えます。
リストを並び替えていると、余分な情報が混じっていること気づくはずです。記事の長さに合わせて、いらない情報は削りましょう。そうして、 記事で使用する情報だけを抽出しましょう。
情報の正しさは、後から検証する
「 個人ブログやSNSの情報は信頼できないんじゃないの? 」と思う方もいるかもしれません。
確かに、これらの情報は誤っていることも多いです。
しかし、情報の量を集める段階では、ブログやSNSの情報を使うのが早いです。全てを一次情報から集めていては、リサーチに時間がかかり過ぎてしまいます。 Webライターは、二次情報、三次情報もうまく活用することも大切です。
情報の正確性を後からしっかり検証すれば、なんら問題ありません。
(5)集めた情報の「正確性を検証」する
最後に、それらの情報が本当に正しいのかを検証しましょう。 検証には、信頼できる情報ソースを使います。
▼信頼できる情報源の例
- 政府が公開している情報
- 権威のある人物が書いた本や論文
- メーカーや販売元のページ
- 専門家へのインタビュー
- 自ら実験、経験する
以上のような信頼できる情報源から、根拠やデータを集めましょう。
事実が確認できない情報は削除して、記事に使わないようにしましょう。
インターネットや本で情報が見つけられない場合は、専門家へインタビューしたり、自ら実験・体験したりして、 足を使って情報集めることも大切です。
情報を集める前に「仮説」を立てる
ポイントは、 情報を集める前に仮説を立てることです。先に仮説を立てることで、リサーチが効率的に進みます。
反対に、仮説を立てないで闇雲にリサーチを進めるとどうなるでしょうか?どんな情報を集めればよいのかわからず、 リサーチに時間がかかりすぎてしまいます。
「ダイエット 運動なし」の例
例えば、「 ダイエット 運動なし 」というキーワードで記事の作成を依頼されたとしましょう。
この記事の読者像は、「現状、太っている方」で、「痩せたいけど、運動はしたくない」という課題を持っていると想定しました。解決策として「運動なしで痩せる方法を紹介するのが良さそうだ」と仮説を立て、リサーチを開始。
- 読者:「太っている方」
- 課題:「痩せたいけど、運動はしたくない」
- 仮説:「運動なしで痩せる方法を紹介する」
ところが、運動なしで痩せる方法調べるうちに、運動をせずに、食事制限だけで痩せると、リバウンドの可能性が高い上に、健康にも悪影響があることが分かりました。(あくまで例です。この内容は事実ではありません。)
そこで、仮説を変更しました。すなわち、「運動なしで痩せる方法」を紹介するのではなく、「運動なしで食事制限をすると、健康へ悪影響がある可能性があるため、運動をするべきだ」という趣旨の記事に変更することに。
- 最初の仮説:「運動なしで痩せる方法を紹介する」
- 変更後の仮説:「運動なしで痩せるのはよくないから、注意点や、運動をするべき理由を解説する」
まとめ:Webライターはリサーチを極めよう
今回は、Webライティングにおいて最も重要な、リサーチの方法を解説しました。
リサーチは価値がある記事を書くために必須のステップです。しっかりリサーチができると質の高い記事が書けます。以下のステップを参考にしてください。
▼まとめ:リサーチのやり方
- まずは、キーワードで「 検索 」する
- 記事の「 読者像 」と「 目的 」「 仮説 」を書き出す
- 仮説を基に、「 記事の構成 」を作る
- 仮説に関連する「 情報を集める 」
- 集めた情報の「 正確性を検証 」する
リサーチが終われば、集めた情報を加工して、読者のニーズに沿って提示していくだけで記事が完成します。 リサーチをしっかり行うことで、文章を書く時間は短くなりますよ。
ぜひ、Webライターのみなさんは、今まで以上に深いリサーチを行ってください。
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